「藤」。古来、日本において愛され続けている気品と優雅さを兼ね備える花です。
あたり一面を彩る藤の光景を堪能できるのが、栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」。見事な藤は栃木県天然記念物に登録されており、藤の名所としてあしかがフラワーパークは欠かせません。藤の見頃時期は4月中旬から5月中旬。また、他では見られない珍しい藤を見られることでも有名です。
そんなあしかがフラワーパークですが、実は日本夜景遺産にも登録されたイルミネーションや、藤以外にも様々な花を年中楽しむことができるのです。
今回はあしかがフラワーパーク名物の藤を始め、イルミネーションや周辺情報など、あしかがフラワーパークの楽しみ方をご紹介します。
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あしかがフラワーパークの愛され続ける藤
紫色の花々が垂れ下がり咲く姿が特徴的な藤。そんな藤は現代まで多くの人に愛されてきました。
日本の歴史と関わってきた藤

藤の花
藤は本州から九州まで幅広く咲く花。藤の種類や色といったものは地域よって特徴が大きく違い、様々な顔を見せてくれます。そんな藤は古くから日本の万葉集といった古典や絵画、和歌にも多く登場しており歴史と深い関わりがあるのです。
藤の花房を振袖姿の女性に例える俳句などもあり、藤は日本の女性らしさの象徴だったと言われることも。
美しい花には毒がある?
藤は思わず惹き寄せられてしまうほどの美しさ。さらに藤は食べることもできる植物であり、実際に昔から天ぷらやシロップ漬けで食べられていました。しかし美しい花には危ない何かがつきもの。藤はマメ科植物でありマメ科植物には、レクチンを中心とした配糖体と呼ばれる毒性が含まれています。
大量に摂取してしまうと吐き気、嘔吐、眩暈、下痢、胃痛などを起こす可能性があるのです。もし食べてみたいと思う方は十分に気をつけて挑みましょう。美しい藤には毒がある。しかし、毒を持つからこそ藤に妖艶な魅力を感じます。
日本全国でも見られる藤ですが、その中でも特に藤が華やかに美しく見られる所が、「あしかがフラワーパーク」なんです。
あしかがフラワーパークってどんなところ?

あしかがフラワーパークの藤と花々
「あしかがフラワーパーク」とは四季折々、数多くの花々で彩られている庭園。名物の大藤をメインに様々な花を咲かせ、10月下旬から2月上旬には大規模なイルミネーションを行います。どうしても藤に目が行きがちになってしまいますが、あしかがフラワーパークの魅力は藤だけではありません。
あしかがフラワーパークの花祭り
あしかがフラワーパークでは月毎に咲く花々が変わっていきます。咲く時期が短い花から長期的に姿を見せてくれる花とその様子は様々。花々が作り出す景色に癒されること間違いなし!そんな月毎に変わる花を紹介していきます。
早春の花たち
1月上旬から2月下旬にかけて雪が残る間にも、あしかがフラワーパークでは花が咲き始めます。主に「冬咲きボタン」を中心にした早春の花々の寄せ植えを見ることができます。
あしかがフラワーパークの園内で見られるのは25本の「寒紅梅(かんこうばい)」。寒紅梅は他の梅よりも開花が早いため、春の訪れを感じることができます。
春爛漫

あしかがフラワーパークのチューリップ
3月の上旬から4月の中旬にかけては、主にチューリップが花を開き、あしかがフラワーパークの園内を染め上げます。その数なんと2万球!色とりどりのチューリップに囲まれ春を謳歌できること間違いなし。また同時期に桜や雪柳も満開を迎えます。
ふじのはな物語

あしかがフラワーパークの大藤とツツジ
4月中旬から5月中旬まで、あしかがフラワーパークの名物である藤が満開にになります。満開になった藤が一面に広がる様子はこの世のものとは思えないほど。池の水面に映し出される藤の姿も、息を飲む美しさです。この雅な藤を見られるのはあしかがフラワーパークだけ。
またこの時期にはツツジやシャクナゲも満開に。藤との見事な競演を見ることができるのはあしかがフラワーパークならではです。
色彩の海

あしかがフラワーパークのバラ
5月中旬から6月下旬では、主役がバラに移ります。赤や黄色、オレンジ、白、青などの約2,500株にも及ぶ色とりどりのバラが咲き誇ります。
また純白のシャクナゲやクレマチスが4月下旬から順々と咲き、次々と違った顔を見せてくれるので見る人を決して飽きさせません。
青と白の共演
6月上旬から6月の下旬までと少し短いですが、この時期に咲き誇るのは花菖蒲(はなしょうぶ)とアジサイ。カラフルで賑やかなあしかがフラワーパークは印象がガラリと変わります。そこにいると、まるで幻想を見ているかのような気持ちに。
遅咲きのクレマチスが徐々に咲いてくることもあり、あしかがフラワーパークは常に違う光景を見せてくれます。
水面を彩る花

スイレン
7月上旬から9月上旬までは熱帯性スイレンが多く花を開きます。日本でも熱帯性スイレンを屋外で鑑賞できるところは少なく、あしかがフラワーパークは屋外で鑑賞できる数少ない場所に。
白、赤、桃、紫、黄、青からなる大輪のスイレンの花はうっとりしてしまう程の気品と豪華さを兼ね備えています。
この時期ではさるすべりやランタナも同時に咲き、美しい光景を見せてくれます。
紫の庭園

あしかがフラワーパークのアメジストセージ
10月上旬から11月下旬にかけて、30万本からなるアメジストセージがあしかがフラワーパークを埋め尽くし、紫の庭園に姿を変えていきます。美しい紫の花々に囲まれながらの写真撮影がおすすめ。
同時期には色とりどりの薔薇、ランタナや熱帯性スイレンも咲き、ため息が出てしまうほどの美しさに。
あしかがフラワーパークは元々農園だった?
今はあしかがフラワーパークは大規模な庭園ですが、元から大規模な庭園だったわけではありません。あしかがフラワーパークは元は農園だったのです。
戦後に大地主であった現在の社長の父が、庭の片隅に大藤を植えたことから全ては始まり、今に繋がることに。庭に植えた大藤。あまりの美しさに、周辺の人々に沢山見てもらおうと思い庭を改修し、「早川農園」が設立しました。これがあしかがフラワーパークの始まりです。
早川農園の周囲は元々田園ばかりでしたが、その後都市化が進んでいきます。市の都市開発計画や園の収益性の向上を求めて1996年2月に、早川農園の大藤4本を現在地であるあしかがフラワーパークに移植したことにより、今の姿に変わったのです。
【ふじのはな物語】幻想的な藤の庭園
あしかがフラワーパークの一番の名物といえばやはり一面を彩る藤!藤といえば紫色と思う方もいるかもしれませんが、あしかがフラワーパークの藤は紫色の藤だけではありません。ここでは、あしかがフラワーパークの藤の魅力について紹介していきます。
様々な藤が彩るあしかがフラワーパーク

あしかがフラワーパークの藤
あしかがフラワーパークにある藤の花は、日本を代表する原種の野田藤、薄紅色の藤、むらさき藤、長藤、八重の藤、白藤など多くの藤が勢揃い。大藤4本と80mにおよぶ白藤のトンネルは栃木県天然記念物に指定されています。
さらに日本でも栽培が難しいと言われている「きばな藤」がある場所としても有名。4月中旬から5月中旬までと約1ヶ月間楽しむ事ができるのです。
世界でも珍しい八重の大藤棚
あしかがフラワーパーク最大の見どころ、八重の大藤棚。その広さは600畳敷の大藤棚3面を誇り、世界でも類を見ない大規模で美しい八重の大藤棚を見る事ができます。藤には魔除けの力があると言われ、大ヒットアニメ・漫画「鬼滅の刃」の中でも鬼が近寄れない存在として登場しています。
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むらさき藤は、ドーム型に咲く藤やスクリーンのように一面綺麗に並んだ藤もあり、見逃すことはできません。また夜にはライトアップもあり、光を浴びて輝き佇む八重の大藤は、幻かと思ってしまうほど。
純白の白藤
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あしかがフラワーパークの白藤トンネル
あしかがフラワーパーク内には白藤のトンネルがあるのです。その長さはなんと80m。純白の白藤トンネルも、あしかがフラワーパーク内で人気なスポット。常に人が絶えません。
近くにある白藤の滝もおさえておきたいスポットです。その大きさと美しさに圧倒されること間違いなし。
最後の主役はきばな藤

あしかがフラワーパークのきばな藤トンネル
あしかがフラワーパークの藤のエリアを進んでいくと、最後に現れるのが「きばな藤」。きばな藤も白藤と同じようにトンネルになっています。黄色鮮やかなきばな藤のトンネルには思わず見惚れてしまうことも。白藤とはまた違った美しさがあり見る人を飽きさせません。
また日本で栽培が難しいと言われる種なので、あしかがフラワーパークのような規模で、きばな藤が見られるのはとても珍しいのです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
【光の花の庭】日本夜景遺産にも登録されたイルミネーション

あしかがフラワーパークのイルミネーション
「日本夜景遺産」や「関東・日本三大イルミネーション」に登録されているあしかがフラワーパークのイルミネーション。その秘密は月毎に変わる大規模なイルミネーションと、光と音声の演出する美しさにあります。
4ヶ月続くイルミネーション
草花が停滞期を迎える10月下旬から2月上旬までの冬期、あしかがフラワーパークでは約4ヶ月に渡りイルミネーションを行うのです。
イルミネーションで使う電球の数は合計で約500万球とかなりの大規模。藤の花弁と同じ形をした薄紫色のLED電球を使い、大藤を再現しています。そこでは光と音声の演出もあり、幻想的なイルミネーションになっています。
水面に映るイルミネーション

水面に映るイルミネーション
水辺の多いあしかがフラワーパークでは、その特徴を活かし水鏡による光量の倍増効果を狙ったイルミネーションも行います。花々が少ない時期でも、あしかがフラワーパークは年中楽しむ事ができるのです。
あしかがフラワーパークの営業時間と料金
魅力たっぷりなあしかがフラワーパークですが、営業時間や料金、アクセスは?そんな疑問を一気に解決します!
営業時間
あしかがフラワーパークの営業時間は時期や、ライトアップの関係で変更があるので注意が必要です。
通常期: 9:00~18:00 (ふじのはなの期間を除く)
夏季・冬季:10:00~15:00(イルミネーション期間を除く)
休園日:基本的になし。2月第3水、木と12月31日は休園
【ふじのはな物語】
開催期間:2022年4月16日(土)~5月22日(日)
営業時間:9:00~18:00(ライトアップ開催時は21:00まで営業)
ライトアップ時期:4月16日(土)~5月15日(日)
【光の花の庭】
開催期間:2022年10月15日(土)~2023年2月14日(火) ※予定です
営業時間:
平日 15:30〜20:30
土日祝 15:30〜21:00
(平日、土日祝ともにイルミネーションの点灯は16:30〜頃予定)
入園料
入園料は、花の咲き具合により変動するので公式サイトで確認しましょう。
公式HP:花と光の楽園 あしかがフラワーパーク
2022年 1月01日〜3月31日 大人400円~900円 / 子ども200円~500円
2022年 4月01日〜5月31日 大人800円~2,000円/ 子ども400円~1,000円
2022年 6月01日~6月30日 大人800円~1,300円/ 子ども400円~700円
2022年 7月01日~12月30日(昼の部)大人400円~800円/ 子ども200円~400円
2022年 10月15日 ~ 02月14日(夜の部)大人1,200円/子ども600円
【ふじのはな物語期間】
〈昼の部〉 大人 900円~2,000円 / 子ども 500円~1,000円
〈夜の部〉 大人 600円~1,800円 / 子ども 300円~900円
アクセス方法
【徒歩】
JR両毛線あしかがフラワーパーク駅から約3分
【車】
東北自動車道:佐野藤岡ICより、国道50号前橋・足利方面(約18分)
北関東自動車道:太田桐生ICより国道50号足利・小山方面(約20分)
東武伊勢崎線足利市駅から車で約30分
【駐車場】
常設:300台
繁忙期:6,000台
あしかがフラワーパークの周辺情報
足利織姫神社

足利織姫神社
足利織姫神社では機織を司る天八千々姫命(あめのやちちひめのみこと)、天御鉾命(あめのみほこのみこと)の2柱の神様が祀られています。足利の全産業を見守ると伝えられ、縁結びにご利益があるとも。足利織姫神社は恋人の聖地とも呼ばれています。
秋になれば美しい紅葉が見られる絶景スポットとしても有名なので、あしかがフラワーパークの後に家族やカップルで訪れるのもおすすめ。
足利織姫神社の夜景
【足利織姫神社の基本情報】
営業時間:24時間
入場料:無料
交通アクセス:
東北自動車道 佐野ICより約30分
JR両毛線 足利駅より徒歩約30分
東武足利市駅から市内巡回バス「あしバスアッシー」通5丁目下車 約6分
公式HP:足利織姫神社
史跡足利学校

史跡足利学校
日本遺産に登録された日本で最も古い学校。日本の教育の原点となる場所です。足利学校を建設した人物については奈良時代の国学の遺制説、平安時代の小野篁(おののたかむら)説、鎌倉時代の足利義兼説などがあります。
現段階で明らかになっているのは上杉憲実(うえすぎのりざね)が鎌倉円覚寺から僧・快元(かいげん)を招いて現在で言う校長に任命し、足利学校の経営にあたらせるなどして学校を再興したことだけ。
昔からあり続ける校舎の姿を見ることができます。
【史跡足利学校の基本情報】
営業時間:
4月~9月 9:00~16:30
10月~3月 9:00~16:00
料金:一般 420円 高校生 220円(中学生以下、障害者手帳持参で無料)
交通アクセス:
JR両毛線「足利駅」より徒歩約10分
北関東自動車道「足利インターチェンジ」より車で約15分
公式HP:史跡足利学校
名物の藤!あしかがフラワーパークに訪れよう
今回はあしかがフラワーパークの名物の藤や季節毎の花々、イルミネーションなどについて紹介してきました。
人生で一度は見たくなるような八重の大藤棚や日本夜景遺産にも登録されたイルミネーションなど、一年中楽しめるのはあしかがフラワーパークだけ!あしかがフラワーパークにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?