愛知県の中心部である名古屋駅からとても近く、古くからの歴史をもつ「熱田神宮」。年間700万以上の人が参拝し、ご利益や、境内にある多くのパワースポットが人気を集めています。熱田神宮は、初えびすや七五三、お宮参り、お祓いだけでなく、特に初詣の時期は、地元だけでなく県外からの観光客も多く訪れ、参拝する人で賑わいます。
今回は、そんな人気の観光スポットでもある熱田神宮の歴史や魅力をご案内します。
熱田神宮の歴史
熱田神宮は、日本の神様である「天照大神(あまてらすおおみかみ)」から授けられた三種の神器、鏡、玉、剣のうちの一つである「草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)」を祀っています。1900年前、日本の天皇一族によって建設された皇室にゆかりのある由緒正しい神社です。境内には国宝級の宝物が数多くあり、神道に関する資料館も設備されています。
また、熱田神宮の境内には、本宮、別宮一社、摂社八社、末社十九社が、境外にも摂社四社、末社十二社と、全部で四十五の社が祀られています。

熱田神宮の信長塀
1377年に「日本書紀」が奉納され、1560年には、織田信長が「信長塀」として土塀を奉納した歴史も残っています。1860年に名称が「熱田神社」から「熱田神宮」に変わり、現在に至ります。
熱田神宮の見どころ
清水社

熱田神宮にある清水社
水の神様である「罔象女神(みずはのめのかみ)」が祀られている「清水社」。平安時代末期、当時目の病気を持っていた平家の武将、平景清がこの湧き水で目を洗ったところ、その病気が治ったことで有名です。他にも様々な効能があり、柄杓を使って湧き水に浮かぶ石に3回水をかけると願いが叶う、また、この湧き水で肌を洗うと綺麗になるともいわれています。
一之御前神社

御祭神 熱田大神の荒魂を祀る一之御前神社
熱田神宮の中で最も神聖な場所「一之御前神社」。ここでは天照大神の「荒魂(あらみたま)」が祀られています。以前は立ち入ることができませんでしたが、2012年から一般向けに解放されました。熱田神宮の中でも最も神聖な場所のため、写真撮影は禁止とされています。
荒魂とは
神様の霊魂が持つ二つの霊魂のうち、一つが「和魂(にきたま)」、もう一つが「荒魂」であると言われています。和魂は神様の平和的側面、荒魂は勇猛さや怒りの側面のことだそうです。荒魂は他にも人に祟りを及ぼすような霊力を持っているらしく、写真撮影が禁止の理由が理解できます。
南新宮社
「南新宮社」は、無病息災のご利益があると言われており、素盞嗚尊(すさのおのみこと)を祀っている神社です。熱田神宮で唯一朱塗りがされた社として有名です。毎年6月5日を祭日とし、夏の疫病除けとしてお祭が行われます。

無病息災のご利益がある南新宮社
他にも6月5日は、茶道の隆盛により始まった「献茶祭」も行われているので、こちらも覗いて見ると面白いかもしれません。熱田神宮では年間を通じて毎月たくさんの祭典や神事が行われていますが、どれも違った音楽や舞踊をとりいれているので見応えがあります。
熱田神宮のイベント
毎年1月5日『初えびす』
「初えびす」は商売繁盛、家内安全、漁業豊漁を祈るお祭りです。祭りが行われるのは午前0時で、その年一番最初の「福熊手」を購入するため、大勢の参拝者が訪れます。福熊手は「家内安全」のご利益にも恵まれているので、商売人だけでなく、一般の方も訪れるのが特徴です。
他にも、お札「えびす」の一番札や「福箕(ふくみ)」を購入することができ、ご利益を求める人で神社の中は大いに賑わっています。

熱田神宮の初えびす
場所 : 大国主社、事代主社
毎年5月8日『豊年祭 花のとう』
神職によって作られた畠所(はたどころ)と田所(たどころ)の模型が飾られ、その年の農業を占う祭り、「豊年祭」。農業関係者は、この行事でその年の出来具合を占います。占い以外にも、日本武尊(やまとたけるのみこと)が、人々に農耕・養蚕などの産業技術を授けたことに感謝するお祭りでもあります。
境内には、植木・野菜の苗木・竹細工などが売っている市場も開催されているので、露店巡りをするのもおすすめです。

熱田神宮の豊年祭
場所 : 本宮、西楽所
毎年6月上旬『熱田まつり』
熱田神宮で最も重要で荘厳な祭り、「熱田祭り」。日中は、境内で武道や芸能が奉納されます。このお祭りの一番の見どころは19〜20時頃から始まる花火大会で、約1000発の花火が夜空に打ち上げられます。
花火が打ち上げられるのは神宮公園なので、日中に神宮を訪れて夜に花火を見る場合は、場所を移動する必要があります。花火が良く見えるのは、熱田神宮のある「神宮前駅」ではなく「西高蔵駅」なので、17〜18時頃には移動しておくのがおすすめです。

熱田祭り
場所 : 熱田神宮、神宮公園
熱田神宮境内に生える楠も必見です

熱田神宮境内に7本ある大楠の1本
美肌になる湧き水が流れている「清水社」のすぐそばにある大きな楠も、熱田神宮のパワースポットの一つです。弘法大師が手植えしたもの(写真の「大楠」)や、樹齢1,000年を超える楠も植えられています。高々とそびえ立つ楠が、この場所の神聖さや荘厳さを物語っているようです。
また、熱田神宮には、名古屋名物の宮きしめんが食べられるお店もあります。熱田神宮に参拝された際にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
【熱田神宮 利用案内】
住所:〒456-8585 愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1
TEL:052-671-4151
受付時間:8:30~16:30
公式ホームページ:熱田神宮・熱田神宮文化殿
熱田神宮へのアクセス
最寄駅 : 神宮前駅
中部国際空港駅からのアクセス
名鉄空港線ミュースカイ / 新鵜沼方面
→【神宮前駅】→ 徒歩(2分)
名古屋駅からのアクセス
名鉄名古屋本線特急 / 豊橋方面
→【神宮前駅】→ 徒歩(2分)
金山駅からのアクセス
名鉄名古屋本線特急 / 豊橋方面
→【神宮前駅】→ 徒歩(2分)
車でのアクセス
最寄りIC:名古屋高速 名古屋南IC
熱田神宮周辺の駐車場:東門駐車場 西門駐車場