長野県伊那市に位置する高遠城(たかとおじょう)。その跡地に整備された「高遠城址公園(たかとおじょうしこうえん)」が、春は桜、秋は紅葉の名所として知られています。特に桜はその可憐さと規模の大きさから「天下第一の桜」と称されるほど。見渡す限り桜で埋め尽くされる光景は、まるで空に浮かぶピンク色の雲のような光景です。
高遠城址公園では毎年「高遠さくら祭り」が開催され、桜の開花時期は例年3月下旬ごろから4月中旬ごろ、見頃時期は4月上旬ごろから4月中旬ごろとなっています。
今回は高遠城址公園で見る「高遠のさくら」の魅力に迫ります。
TOP画像:ⓒ伊那市観光協会
高遠城址公園の桜の種類とおすすめスポット3選

高遠城址公園の固有種・タカトオコヒガンザクラ
長野県の天然記念物に指定され、日本さくらの会の「さくら名所百選」に選出されている「高遠城址公園」。高遠の桜は「タカトオコヒガンザクラ」という固有種です。明治時代に移植されて以降、桜の数は年々増え続け、現在では1,500本ものタカトオコヒガンザクラが植えられています。
タカトオコヒガンザクラは、花びらが少し小ぶりで濃いピンク色の花を咲かせるのが特徴。公園いっぱいに咲き乱れる様子は「天下第一の桜」と称されるほどで、日本三大桜の名所の一つにも数えられています。
高遠の桜が見頃を迎えるのは例年4月上旬から中旬。美しい桜が見られる園内のおすすめスポットを3選紹介します。
おすすめ桜スポット① 桜雲橋

高遠城址公園にある桜雲橋の桜のトンネルのお花見スポット
高遠城址公園の中心部に位置する「桜雲橋(おううんきょう)」。その名の通り桜の雲に包まれた橋は定番の撮影スポットでもあり、橋の上を歩くと桜のトンネルを歩いているような気分になります。
また、橋の下にある池の対岸からの眺めもおすすめ。池の水面に桜と橋が映し出されるので絶好の撮影スポットです。
おすすめ桜スポット② 白兎橋

高遠城址公園の白兎橋からの眺め
高遠城址公園の南側にある「白兎橋(はくとばし)」もまた定番のフォトスポットとして知られています。橋の上から、雪が残る中央アルプスをバックに満開の桜が撮影できるため、思わず足を止めて写真を撮りたくなるスポットです。
おすすめ桜スポット③ 白山観音

高遠城址公園にある白山観音からの眺め
「白山観音」は、高遠城址公園の外、五郎山の山中にあるスポットで、公園からは歩いて30分ほどかかります。少し離れていますが、ここから見える景色は絶景です。
眼下に園内の桜が広がり、その光景はまるで桜の海のようにも見えます。桜は下から見上げて楽しむことが多いですが、白山観音の絶景ポイントから見下ろす高遠の桜も必見です。
高遠城址公園の「高遠さくら祭り2023」

高遠城址公園の高遠さくら祭り
高遠城址公園で毎年開催されている「高遠さくら祭り」。「一度は行ってみたい桜の名所」や「日本さくら名所百選」、「桜の日本三大名所」などに選ばれる高遠の桜ですが、2023年は新型コロナウイルス感染予防の規制を緩め、コロナ禍以前の規模で開催されることが決定しました。飲食・飲酒も制限されず、高遠閣も4年ぶりに休憩所として解放されます。
有料入園期間は桜の咲き始め(開花宣言の翌日)~散り終わり。ライトアップは桜の三分咲き~満開の10日間に実施予定で、園内南側でも再開します。

高遠さくら祭りでライトアップも楽しめる
また、高遠さくら祭りでは夜桜のライトアップも必見です。歩道などへのプロジェクションマッピングも行われる予定で、昼間とは違う幻想的な光景を堪能できます。
交通規制は4月1日(土)~23日(日)を予定し、一方通行や車両通行止めの区間が設けられます。観桜客を運ぶ有料のシャトルバスは桜の最盛期に9日間ほどの実施を見込んでおり、咲き始め~散り終わりの期間中は城址公園や周辺施設を巡る「お花見循環バス(有料)」も運行します。
高遠さくら祭り 開催情報
開催期間:咲きはじめから散り終わりまで
通常開園時間:午前8時~午後5時
開花最盛期のみ:午前6時~午後9時(最終入園)
夜桜ライトアップ期間:開花期間中の 約10日間(開花状況に応じて)
点灯時間:午後6時~午後10時消灯(最終入園:午後9時まで)
※園内一部にプロジェクションマッピングによる映像投影あり
入園料金:大人(高校生以上) 500円/子供(小・中学生) 250円
公式サイト:高遠さくら祭り2023
高遠城址公園の歴史

高遠城址公園の石碑
高遠城の時代
高遠城は、主に戦国時代に活躍したお城です。はじめは高遠氏の居城でしたが、1545年に武田氏によって攻め落とされ、以降は武田氏一族が城主を務めていました。
しかし、1582年に織田信長の長男・信忠率いる織田軍が高遠城を包囲し、当時の城主・仁科五郎盛信は壮絶な戦いの末に討死してしまいます。
高遠城址公園として整備
明治時代の1871年に高遠城は取り壊され、この場所は荒地と化します。その光景を見かねた旧高遠藩士が桜を移植し、公園として整備しました(1875年)。
1936年に集会所として高遠閣を建設。1960年には、桜の樹林が長野県の天然記念物に指定され、長野県随一の桜の名所として知られるようになります。
高遠城址公園へのアクセス
最寄駅:高遠駅(バス停)
長野駅からのアクセス
【長野駅】- JR篠ノ井線 / 松本方面
→【松本駅】- JR特急あずさ号 / 新宿行き
→【岡谷駅】- JR飯田線 / 飯田方面
→【伊那市駅】- 路線バス・JRバス / 高遠さくらの湯行き
→【高遠駅バス停】→ 徒歩(約15分)
新宿駅からのアクセス
【新宿駅】- JR特急あずさ号 / 松本行き
→【岡谷駅】- JR飯田線 / 飯田方面
→【伊那市駅】- 路線バス・JRバス / 高遠さくらの湯行き
→【高遠駅バス停】→ 徒歩(約15分)
車でのアクセス
最寄りIC:中央自動車道 諏訪IC(約50分)
高遠城址公園周辺の駐車場:市営有料駐車場、臨時駐車場(無料)
高遠城址公園の天下一の桜は必見
今回は、天下一の桜と称される長野県の高遠城址公園の桜と高遠さくら祭りを紹介しました。あたり一面がピンク色に染まる様子は圧巻の光景です。
この春は、歴史ある長野県随一の桜の名所を楽しんでみてはいかがでしょうか?