岐阜県白川村に位置する、日本が誇る世界遺産の一つ「白川郷」。1995年、富山県の五箇山集落とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界文化遺産に登録されました。特徴的な三角屋根の茅葺(かやぶき)合掌造りの集落は、時間が止まったかのような古き良き日本原風景です。
一年中観光客が訪れる白川郷ですが、冬の白川郷は、豪雪地帯ならではの光景が広がります。中でも注目したいのが、冬の6日間だけ開催されるライトアップイベント。
2023年度(令和5年)の第37回のライトアップイベントは1月と2月の間で合計6回、開催します。
この記事では、幻想的な風景が広がる白川郷ライトアップイベントについて紹介します。
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2023年冬の白川郷ライトアップイベント情報

冬の白川郷のライトアップ
白川郷が夜間にライトアップされる、初冬限定のイベント。毎年1月、2月の間に計6回に催される特別な行事です。
2023年は1月15日(日)、22日(日)、29(日)、2月5日(日)、12日(日)、19日(日)の6回で開催予定。点灯時間は17:30から19:30になります。
冬の風物詩であるこの白川郷ライトアップイベントは、開催33年目を迎えた2019年から完全予約制の抽選式に。参加するには宿泊予約・駐車場予約・バスツアーへの参加申し込みが必要です。2023年度のライトアップイベント参加方法の詳細は白川郷観光協会公式サイトをご確認ください。
【白川郷ライトアップ 基本情報】
住所:岐阜県大野郡白川村荻町1086(白川郷観光協会)
開催日:2023年1月15日(日)、22日(日)、29(日)、2月5日(日)、12日(日)、19日(日)
時間:17:30〜19:30
公式サイト:
●「白川郷ライトアップイベント」ご参加方法について(白川郷観光協会)
●ライトアップイベント宿泊予約【抽選制】・駐車場予約【先着順】について(白川郷観光協会)
バスツアー情報:
●白川郷ライトアップバス2023(濃飛バス)
●「白川郷ライトアップ2023」見学バス 受付について(加越能バス)
●白川郷ライトアップバス2023(富山地鉄バス)
※参加するには宿泊予約、駐車場予約、バスツアーへの参加申し込みが必要です。
冬の白川郷ライトアップの見どころ
天守閣展望台に逆さ合掌造りなど見どころ満載の白川郷。事前にインスタ映えスポットや見学場所、おすすめポイントなどを知っておくとさらに旅が楽しくなります。
天守閣展望台

展望台から眺めた冬の白川郷ライトアップの様子
高台に位置する天守閣展望台は、白川郷荻町の集落を一望できるスポット。白川郷の集落全体を見渡せる昼間も人気のスポットですが、ライトアップ期間中の雰囲気は格別。思わず冬の寒さを忘れてしまうほど多くの観光客を虜にしています。
山間に建つ合掌造りの家々の風景は絵画的な美しさであり、冬は降り積もった雪がさらに幻想的な景色を作り上げます。城跡の高台からは合掌造りがミニチュアのように見えてかわいらしく、まるで日本昔ばなしの世界に訪れたかのよう。天気が良ければ荻町の向こうに白山連峰をご覧いただけます。
そのほか、自家製の飛騨そばや石割豆腐、ソフトクリームなどの食事が楽しめる施設や土産屋もあるため、風景を楽しんだ後はゆっくりと休憩をとるもいいでしょう。
※ただしライトアップ開催中に展望台へ行く場合は、宿泊予約またはバスツアーへの参加申し込みが必要なのでご注意ください。
明善寺から見える逆さ合掌造り

水面に反射した合掌造りの家屋
荻町地区の集落内にある明善寺からは、田んぼの水面に反射する「逆さ合掌造り」を見ることができます。集落内には、いくつかの逆さ合掌造りが見られる場所がありますが、その中でも一番ハッキリと映り込むのが明善寺です。
昼間も逆さ合掌造りは現れますが、ライトアップされるとよりくっきりと水面に映り込みます。ただし、積雪量が多いと田んぼが雪で埋まってしまうこともあるので、ご注意を。
和田家

白川郷最大規模の合掌造り「和田家」のライトアップ
国の重要文化財にも指定されている和田家は、荻町集落で最大規模の合掌造りの住居。現在も人が生活しており、昼間は居住区以外の1階の一部と2階が公開されています。中に案内人がいるので、合掌造りの構造や歴史なども解説をお願いできます(入館料は大人:400円 / 子ども:200円) 。
和田家の見どころは風格ある建物、外観のダイナミックさですが、中に入ると火が灯された囲炉裏を囲むことができるのもうれしいポイント。フォトジェニックな1枚が撮影できそうです。

幻想的雰囲気の景色を作る冬の白川郷のライトアップ
さらにおすすめは、少し薄暗い時間帯からはじまるライトアップ。和田家のライトアップは二方向から照らされ、大きな合掌造りがひときわ目立つ仕様に。ライトアップ開始は17:30以降です。
冬の白川郷ライトアップイベントの注意事項
ここまで白川郷の魅力をたっぷりお伝えしましたが、ここで、特別なイベント、白川郷ライトアップに関する注意事項を確認しましょう。
駐車場も先着順の完全予約制
2019年からはライトアップの見学は完全予約制になりました。宿泊予約または駐車場予約、バスツアーへの参加申し込みを事前に行いましょう。大変人気のため、例年いずれも早いタイミングで募集が締め切られますので、早めに情報をチェックしておくのがおすすめです。また、ライトアップ当日も渋滞も見込まれるため、車で訪れる場合は30分~1時間の余裕を持って行動するとスムーズです。
コロナウイルスの感染拡大防止のために
今年度のライトアップイベントも、新型コロナウイルス感染防止対策のもとで行われます。イベントを行う事ができるのは、白川観光協会の方々、白川町の住民のみなさんのおかげです。滞在中のマスク着用・見学の予約など、事前に注意事項を確認し、準備を行なって参加しましょう。
観光客が多数訪れる「白川郷」とは?

世界遺産にもなっている白川郷
白川郷は、岐阜県白川村に位置する「合掌造り」の集落が残された、手つかずの自然が残る場所。季節の移り変わりとともに移ろう情景の変化も魅力のひとつです。
合掌造りとは、急勾配の屋根部分が茅葺きづくりになっている建築様式のこと。屋根の丸太組みが掌を合わせたように組まれている様子が、合掌の由来となっています。豪雪地帯の積雪時の屋根荷重を支えるのに適した建築であり、江戸時代後期から明治時代にかけて多くの合掌造りの家が建てられました。
茅葺き屋根の合掌造りをもつ民家
しかし現在、合掌造りの風景を残した地域は世界で3カ所しかない貴重な存在。合掌造りの立ち並ぶ景観は世界的にも重要な文化遺産として、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界文化遺産に登録されています。
日本の著しい経済成長の中で多くの合掌造りの景観が失われてしまった中で、この白川郷の美しい景観を守ってきた住民の努力も登録の決め手となりました。
積雪期間中、またライトアップ期間中は普段とは違った景色が楽しめる白川郷。ぜひどこか懐かしくも幻想的な風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ライトアップ期間以外も冬の白川郷は魅力的

雪景色に包まれた白川郷
白川郷のライトアップは事前予約・抽選式で行われ、その人気ゆえに誰でも気軽に見に行けることのできない貴重なイベント。
ただ、冬の白川郷の夜は、ライトアップがなくても十分に魅力的です。夜の白川郷を照らす家々の明かりは、実際に白川郷で生活が送られていることを改めて実感できます。静かな白川郷の景色を楽しむなら、ライトアップ期間外に訪れるのもおすすめです。
また、アニメ聖地巡礼スポットとしても人気の白川郷。日本が誇る新進気鋭のアーティストたちがその魅力を劇中で表現しており、映画『君の名は。』やアニメ『ひぐらしのなく頃に』など、数々の作品で白川郷が描かれています。『君の名は。』ファンの間では、白川郷と岐阜県飛騨高山を組み合わせて散策するのが人気のコースとなっているそうですよ。
白川郷へのアクセス
最寄駅:白川郷(バス停)
金沢駅からのアクセス
【金沢駅】- 高速バス・濃飛バス / 高山バスセンター行き →【白川郷バス停】
富山駅からのアクセス
【富山駅】- 高速バス・濃飛バス / 高山バスセンター行き →【白川郷バス停】
名古屋駅からのアクセス
【名古屋駅】- 高速バス・岐阜バス / 白川郷行き →【白川郷バス停】