北海道の中心に位置する美瑛・富良野エリア。その中でも北海道観光の定番スポットとして知られているのが「青い池」です。
「美瑛ブルー」と呼ばれる神秘的な青色が特徴の青い池。天気や季節などの条件によってコバルトブルーやエメラルドグリーン、時には鏡のように水面が反射する透明感のある青を見ることができます。
カメラマンの口コミで広がり、2012年にApple社のMac OS Xに壁紙として採用され、瞬く間に世界的知名度を得ました。
季節によってさまざまな表情を見せるところも魅力の一つで、冬のライトアップは多くの観光客で賑わう注目イベント。
今回は青い池の色の謎や見どころを紹介していきます。
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青い池とは

Apple社が採用したものに近い青い池
旭川から車で約一時間のところにある「青い池」。神秘的な青色が美しい美瑛・富良野エリアを代表する観光スポットです。
カメラマンによる口コミで徐々に有名になった青い池。世界的な人気スポットとなったのはApple社がきっかけでした。2012年にMac OS Xの壁紙として青い池の写真を採用し、世界中から観光客が押し寄せるようになりました。
青い池の成り立ち

人工物と自然の奇跡でできた青い池
実は青い池は天然のものではないことをご存知ですか?
1988年12月に現在の青い池からほど近い「十勝岳」が噴火。それに伴い、火山泥流を防ぐための防災ブロックを美瑛川本流に設置しました。そこへ偶然川の水が溜まり、現在の青い池が生まれたのです。
その吸い込まれるような青色から自然の神秘を感じるスポットですが、成り立ちを探ると人工物と自然が重なった偶然の産物であることがわかります。

青い池に立つ枯れ木たち
青い池の不思議な印象を強調している池からのびる枯れた木々。これらは水の流入により水没したカラマツや白樺で、美しいコバルトブルーと枯れた木のコントラストは見る人にどこかもの悲しさを感じさせます。
なぜ青く見えるのか

不思議な青色が印象的な青い池
思いがけず川の水が流れ込んでできた青い池。普通の透明な水が流れ込んだだけならここまで青くないはずですが、なぜあのような美しい青色に見えるのでしょうか。
その答えは水の性質と太陽光にあります。青い池から3kmほど上流のところにあり、白金温泉付近を源流とする「白ひげの滝」。そこで美瑛川を含む3つの支流が合流して混ざり合うことによって青い池へ流れ込む水となります。

太陽光を浴びて美しい色となる青い池
硫黄をはじめとする温泉成分とマグネシウムが豊富な水質となることで目には見えない「コロイド」が生成されます。コロイドとは非常に細かい粒子が分散している状態のこと。青い池の中では太陽光と水中のコロイドが衝突し、色々な方向に光が散乱しています。
さまざまな色の中でも青い光は散乱しやすいため、その光が私たちの目に届き、青く見えるといわれています。また水に含まれる硫黄や石灰成分が、池の底の岩などを白くすることも青く見える理由の一つだそう。
青い池の源泉である白ひげの滝

青い池へ水を運ぶ白ひげの滝
青い池の上流3kmほどに位置している「白ひげの滝(しらひげのたき)」。青色の源とも言える白金温泉地区にある滝です。
落差約30mの岩の隙間から、這うようにして流れる様子が白いひげのように見えることから名付けられた「潜流爆(せんりゅうばく)」。
潜流爆とは地下水が溶岩層などの裂け目から落ちてくる滝のことを指し、日本でも珍しい形式です。

雪とのコントラストが美しい冬の美瑛川
なぜ青く見えるかのところで紹介したように白ひげの滝は青の根源ともいえるスポット。
青い池だけでなく滝の下を流れる美瑛川は「ブルーリバー」と呼ばれ、透き通った青色が特徴の川となっています。
白ひげの滝のライトアップ

光に照らされ幻想的な雰囲気を放つ冬の白ひげの滝
白ひげの滝は冬になると雪が積もり、白銀世界の中に青い川が流れる景勝地となります。雪の中、ブルーのしぶきを上げる滝が印象的。
また白ひげの滝では通年でライトアップを実施しており、より幻想的な雰囲気に包まれた空間を演出しています。
真冬になると青い池は凍結してしまうため、雪とのコンビネーションを見たい人は白ひげの滝を訪れてみてはいかがでしょうか。
青い池のおすすめ訪問タイミング

天気によって色々な表情を見せる青い池
青い池の美しさを堪能するには「天気」「時間帯」「季節」を考慮する必要があります。
一定の条件を満たした場合に青く見えるため、訪れるタイミングが悪いと「青くなくてガッカリ」となってしまうことも。
そうならないようにおすすめの天気、時間帯と季節ごとの特徴をチェックしておきましょう。
青い池がきれいに見える天気と時間帯
良いコンディションの青い池を見るために最も重要なポイントは天気です。
太陽光が青色を見るための重要な要素となるため、最も良い天候は晴れ。曇りや雨の日は池の色が暗く見えたり、濁って見えたりするので事前に天気予報を確認することをおすすめします。

朝日が差し込む早朝の青い池
おすすめの時間帯は早朝と午後。早朝は風が吹きにくいことから最も美しく見える条件が揃いやすい時間帯です。
太陽に照らされて鏡のように輝く青い池はまさに絶景。早起きが必要ですが、鳥のさえずりや水の音など自然の音が響き渡る空間でゆっくりと散策することができます。

鏡のように反射する青い池
そしてインスタ映えなど、綺麗な写真を撮りたい方には午後がおすすめ。
早朝や午前は美しい景色を見ることができるものの、太陽の位置的に逆光になるため、全体的に白っぽく、ぼんやりとした写真になってしまいます。昼を過ぎると太陽が高い位置まで昇ることで、美しい水の青色を写真に収めやすくなります。
しかし、写真映えする絶好のポジションには行列ができ、駐車場も混み合うことから自由な行動が難しくなる点には注意が必要です。また遅い時間に訪れてしまうと池が日陰になり、全体的に暗い仕上がりとなってしまいます。
青い池の四季
青い池は四季それぞれで違った表情を見せてくれます。好みの青い池を見るために各季節の特徴をチェックしておきましょう。
春

雪が溶け出した青い池
長かった冬が終わり、若葉が芽吹き始める季節です。朝はまだまだ気温が低いため水面が凍ることも。
氷の隙間から見える青色と若葉のコンビネーションが絶景を生み出しています。
夏

夏の日差しに照らされて輝く青い池
夏は最も美しく見える条件が揃いやすい季節です。「強烈な日差し・風が無風」の条件が揃った青い池はまさに絶景。
北海道観光のオンシーズンなこともあり、非常に多くの観光客が訪れるため、時間に余裕を持つことをおすすめします。
秋

紅葉した木々が反射する青い池
秋は後ろの山々が赤と黄色に染まる季節です。早いと10月から雪が降り始める十勝山麓。
紅葉を見ることができる時期は短いものの、色づいた木々が映り込む青い池は吸い込まれそうな美しさです。
冬

雪化粧したカラマツと青い池
初冬の青い池はカラマツが雪化粧する季節です。
銀世界の中に青い池が浮かんで見える景色は非常に幻想的。

光のショーが行われる青い池
真冬には凍結し、雪が降り積もります。毎年11月1日からライトアップが始まり、澄み切った空気の中、光のショーを楽しむことができます。
さまざまな照明パターンがあり、約10分間でひとつのストーリーを表現。極寒ですが、冬ならではのイベントでロマンチックな雰囲気を味わうことができます。
青い池へのアクセス
交通アクセス:JR美瑛駅より車で約20分 道北バスで約20分
住所:071-0235 北海道上川郡美瑛町白金
電話番号:0166-94-3355(美瑛町観光協会)
駐車場:あり(有料)
公式サイト:美瑛町観光協会 白金青い池
青い池の周辺スポット
青い池で絶景を堪能したら周辺を巡ってみましょう。
豊かな自然を感じるもよし、美瑛ならではのグルメを堪能するもよし。バラエティーに富んだ楽しみ方ができるスポットが目白押しです。
白金ビルケ

青い池からほど近い白金ビルケ
青い池から車で2分ほどのところにある「道の駅 白金ビルケ」。美瑛町ならではの青い池グッズやグルメなどで知られるスポットです。
レンタサイクルの貸し出しも行っており、白金ビルケを拠点に美瑛町を観光するのもおすすめ。
【基本情報】
アクセス:JR美瑛駅からバスで20分
住所:北海道上川郡美瑛町字白金
電話番号:0166-94-3355
営業時間:9:00~18:00(6月~8月)、9:00~17:00(9月~5月)
休業日:年末年始(12/31~1/3)※10/30は午前中のみ営業
公式サイト:白金ビルケ
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びえい白金温泉
十勝岳連峰を見渡せる山麓にある「びえい白金温泉」。足腰の健康に関する効能で知られる温泉郷です。
別名は「杖忘れの湯」で、杖をついて温泉を訪れた人が杖を忘れるほど健康になるという逸話からそう呼ばれるようになったそう。白金(プラチナ)とも呼ばれた温泉で旅の疲れを癒すことができるスポットです。
【基本情報】
アクセス:JR美瑛駅からバスで約30分
望岳台

美瑛の絶景を楽しめる望岳台
2077mの標高を誇り、日本百名山のひとつである十勝岳。その中腹に位置するのが「望岳台」です。
標高930mにあり、山頂を含めた山全体を一望できる望岳台。大地の雄大さに加えて秋には紅葉などの絶景を味わうことができます。
【基本情報】
アクセス:JR美瑛駅から車で約35分
住所:071-0235 北海道上川郡美瑛町白金
公式サイト:美瑛町観光協会 望岳台
青い池は美瑛が誇る絶景スポット
今回は「青い池」についてご紹介しました。人工物と自然の奇跡が生んだ青い池。
息を呑むような美しい青と、どこかノスタルジックな雰囲気の枯れ木が作り出す絶景を堪能してみてはいかがでしょうか。